意外と知らない不動産にまつわる豆知識⑫|旧耐震・新耐震・2000年基準・耐震等級の違い

こんにちは。新潟市西区の不動産会社、ルームスタイルです。
「意外と知らない不動産にまつわる豆知識」第12回は、建物の耐震基準についてご紹介します。
お部屋探しの際に、「このアパートは新耐震基準ですか?」「築年数が古いと、地震への強さが心配です」といったご質問をいただくことがあります。
耐震性について調べると、「旧耐震」「新耐震」「2000年基準」「耐震等級」など、似た言葉が出てきますが、それぞれ意味や対象が異なります。
今回は、これらの違いと、賃貸のお部屋探しで確認しておきたいポイントを分かりやすく解説します。
旧耐震基準と新耐震基準の違い
建物の耐震基準の大きな節目となったのが、1981年(昭和56年)6月1日です。この日から施行された基準を「新耐震基準」、それ以前の基準を「旧耐震基準」と呼びます。

新耐震基準は、大きな地震の際に建物の倒壊を防ぎ、人命を守ることを目指した基準です。「大地震でも建物が無傷」「地震後もそのまま住み続けられる」という保証ではありません。
「1981年以降の完成なら新耐震」とは限りません
ここで注意したいのが、物件情報に記載されている「築年月」と、基準を判断するための「建築確認の時期」は異なるという点です。
建物は、建築確認を受けてから工事を進め、完成します。そのため、新耐震基準が施行された後に完成していても、建築確認は旧耐震基準の時期に受けている場合があります。
「2000年基準」とは?主に木造住宅のルールを明確化
新耐震基準と併せて耳にするのが、「2000年基準」です。
これは、2000年(平成12年)6月に施行された改正に関連して使われる呼び方で、主に木造住宅の耐震性に関する規定が明確になりました。特に在来軸組工法の木造住宅では、次の点が重要です。

地震に耐えるためには、壁の量だけでなく、配置のバランスや、柱・梁などが適切につながっていることも重要です。
このため、木造住宅では「新耐震基準かどうか」に加え、「2000年の改正より前か後か」も確認の目安になります。
軽量鉄骨造や鉄筋コンクリート造はどう考える?
賃貸住宅には、木造のほかにも「軽量鉄骨造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造」などがあります。
旧耐震・新耐震の区分は、木造以外の建物でも確認するポイントです。一方、先ほどの「2000年基準」でよく説明される接合金物や耐力壁の配置は、主に木造住宅についての内容です。
そのため、軽量鉄骨造のアパートを、木造住宅と同じように「2000年より前だから」と評価することは適切ではありません。 建物の構造に応じて、適用された基準や設計内容を確認する必要があります。
耐震等級1・2・3とは?
「新耐震基準」と「耐震等級」は、意味が異なります。
耐震等級は、住宅の性能を共通のルールで比較できるようにした「住宅性能表示制度」の評価項目の一つです。新築住宅では、2000年10月から制度の本格運用が始まりました。
一般的に紹介される「耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)」には、次の3段階があります。

この「1.25倍」「1.5倍」は、設計上想定する地震力に対する倍率です。「震度が1.5倍」「大地震に何回でも耐えられる」という意味ではありません。
熊本地震の調査から見る、耐震基準による被害の違い
耐震基準による違いを知る参考として、2016年の熊本地震で行われた、益城町中心部の木造住宅の被害調査をご紹介します。
この調査では、旧耐震基準の木造住宅で倒壊した割合が28.2%だったのに対し、1981年6月から2000年5月までの新耐震基準の住宅では8.7%、2000年6月以降の住宅では2.2%でした。
また、無被害だった割合は、旧耐震基準で5.1%、1981年6月から2000年5月までの住宅で20.4%、2000年6月以降の住宅で61.4%となっています。
この調査では、建築時期による基準の違いに応じて、倒壊や無被害の割合に差が見られました。

出典:一般社団法人くまもと型住宅生産者連合会『耐震等級3のススメ』掲載資料
※割合は掲載資料の数値です。四捨五入により、合計が100%にならない場合があります。
調査対象となった2000年6月以降の住宅のうち、耐震等級3の住宅は16棟ありました。
その16棟では、倒壊・全壊した住宅はなく、14棟が無被害、2棟が小破という結果でした。
対象は16棟と限られていますが、耐震等級3の性能を考えるうえで参考になる事例です。
ただし、「耐震等級3なら必ず無被害」「どのような地震でも倒壊しない」という意味ではありません。 実際の被害は、揺れの強さや性質、地盤、施工状況、建物の劣化などにも左右されます。
耐震等級が書かれていない物件は?
住宅性能表示制度は、利用が任意の制度です。そのため、2000年以降に建てられた住宅でも、すべてが住宅性能評価を受けているわけではありません。
物件情報に耐震等級の記載がないことだけで、耐震性が低いとは判断できません。
また、「2000年以降に建築されたから耐震等級3」ということでもありません。
2000年は「引き渡し後の責任」も変わった年
2000年は、木造住宅の基礎や接合部などのルールが明確になっただけでなく、住宅を建てる方・購入する方を守る制度にも、大きな変化があった年です。
2000年4月1日に施行された「住宅品質確保法(品確法)」により、新築住宅の基本構造部分などについて、施工会社や売主が引き渡しから10年間、欠陥に対する補修などの責任を負うことが義務付けられました。
対象となるのは、同日以降に締結された新築住宅の建築請負契約・売買契約です。
どのような部分が対象?
主な対象は、次の2つです。
構造耐力上主要な部分建物を支える基礎・柱・梁・耐力壁など。
雨水の浸入を防止する部分屋根・外壁・開口部など、雨漏りを防ぐ部分。
例えば、基礎の設計や施工の不備によって建物が傾いた場合は、この責任の対象となる可能性があります。
ただし、傾きやひび割れが生じたら、原因を問わず必ず無償で直してもらえるという制度ではありません。 原因や不具合の内容を調査し、対象部分の欠陥によるものかどうかを確認する必要があります。
なお、2000年以前にも、契約や民法などによる責任はありました。品確法によって、新築住宅の重要な部分について、10年間の責任が法律で義務付けられたということです。
2009年には、補修費用を確保する仕組みも整備
さらに、2009年10月1日からは「住宅瑕疵担保履行法」により、対象となる新築住宅を引き渡す建設業者や宅地建物取引業者に、保険への加入、または保証金の供託が義務付けられました。
これは、施工会社や売主が倒産するなどして責任を果たせない場合にも、対象となる欠陥の補修費用を確保するための仕組みです。
耐震基準と、引き渡し後の責任は別の制度
同じ2000年の出来事でも、「建物に求められる性能」「性能を評価する制度」「欠陥があった場合の責任」は、それぞれ別の仕組みです。

※10年間の責任は、新築住宅の発注者・買主に対するものです。入居者様への一律の10年保証を意味するものではありません。
参考:国土交通省「住宅品質確保法」「住宅瑕疵担保履行法」に関する公表資料
お部屋探しで確認したいポイント
耐震性が気になる場合は、次の点を不動産会社に確認してみましょう。
建物の構造:木造・軽量鉄骨造・鉄筋コンクリート造など
建築確認の時期:旧耐震・新耐震のどちらにあたるか
耐震診断や耐震改修の履歴:古い建物でも補強されている場合があります
住宅性能評価の有無:耐震等級を確認できる資料があるか
維持管理の状況:劣化や修繕の状況はどうか
築年は大切な手掛かりですが、現在の耐震性は、建築時の設計や施工、劣化、耐震改修の有無などにも関係します。旧耐震だから必ず危険、新耐震だから必ず安全と、一律に判断することはできません。
新潟市西区のお部屋探しはルームスタイルへ
家賃や間取り、設備と同じように、建物の構造や耐震基準も、お部屋選びで気になるポイントの一つです。
「この物件は新耐震基準ですか?」「耐震等級は分かりますか?」など、気になることがございましたら、お気軽にご相談ください。
ルームスタイルでは、確認できる資料や情報をもとにご説明し、お客様のお部屋探しをお手伝いいたします。


